Books
         奇面館の殺人を読み終えた。

久しぶりに出た綾辻行人の新作。(5年振り?)
10冊書くと作者本人が公言している、「館」シリーズの9作目。
上梓されたのは、昨年のこの時期、2012年の正月あけであり、購入したのもほぼ同時期であると記憶していたが、
綾辻のそれも館シリーズであるということから、展開が読めてしまっていたため、
ついつい『積ん読』化してしまっていた一冊である。

『館』シリーズとは何なのか、ということを簡単に説明すると、
綾辻行人による推理小説であり、必ず『隠された通路』が用意されているということに他ならない。
本格ミステリ、と豪語するだけあって、基本的な推理小説のルールにも乗っ取った作品である。

奇面館の殺人のあらすじ
同年同月ほぼ同日生まれの同年代の出席者6人が集められた奇面館。
 仮面舞踏会よろしく、出席者は全員「顔」を隠すことが定められている。
 季節外れの吹雪により、山荘が行きに閉ざされた時、館の主人と思われる人物が、殺害される。
 主人と「思われる」理由は、顔と指が切り落とされ判断がつかなくなっていたからである。
 さらには、主人公を含めた出席者6人は、犯人により、「鍵」付きの仮面を被さられており、
 誰が誰かはわからない。隠された真実とは?

とかそんな感じのあらすじ


本作は、『隠された通路』が前提な小説のルールだけあって、
この「通路」の存在を前提に考えた上で、もう一つ大きなトリックを軸にこの『奇面館の殺人』は書かれている。
それは、小説全体に覆い被さっているとも言える大掛かりなトリックであるが、
自分には、ついぞ、最後の最後の種明かしがされるまで、そのトリックに気がつくことが出来なかった。
種明かしが始まった最初の頁では、話の展開がわからず、思わず何度か読み返してしまったほどである。

ーー『通路』は、(挿絵として館の図面が用意されているとはいえ)
読み手にとって(事件が起こる迄は)まずほぼ発見することが難しいことだろう。
事件が起こってしまえば(その事件現場は往々にして密室となるため)犯人の逃走ルートとして、
『隠された通路』の入口/出口を推理することができる。
しかし、本作では、読者がその『通路』のトリックに気がつくと、また次の疑念が生まれるように構成されている。

さらには、一見、「死体損壊トリック」の様に読者を誘導しておいて、その実、
本当のトリック自体は、べったべたに使い古された「心理トリック」であり、「叙述トリック」を使っていることには思わずうならされてしまった。

加えて今回は、探偵・鹿谷門実は、久しぶりに事件の当事者として巻き込まれたこともあり、
事件後のいわば「探偵パート」で、『通路』の入口に関する情報は細かく出て来ていたし、
犯人を特定する「ヒント」も、話の流れとしてやや不自然な程度に、出て来てはいるため、
「なんだ、簡単じゃないか」と読みながら推理をしようと、必要以上に引き込まれてしまった。













以下、ネタバレになる、「ヒント」に関する一言。
「ミネルバ」って、青い瞳だと神話では書かれていたと思うので、
別にそれが決めてとならなくても、「青ざめた」といった発言はしてしまうのではないでしょうかね。


スポンサーサイト
 
 

トラックバック用URL ;http://gatolynx.blog100.fc2.com/tb.php/137-75c84cd1

コメントの投稿

非公開コメント